2016年10月29日(土曜日)21時から放送された

「NHKスペシャル あなたもなれる健康長寿徹底解明 100歳の世界」より。

100歳の高齢者たち「センテナリアン」

100歳を超える高齢者たちを「センテナリアン(世界で45万人。日本では過去最高の現在65692人)=centenarian」と呼ぶ。誰でも条件次第で健康長寿(センテナリアン)になれる秘訣があると言う…。

その一人、105歳で現役の医師、日野原重明さんをスタジオに迎えその方法が紹介された。

日野原先生の食事。

1.色の付いた野菜を食べる

2.毎朝ジュースにオリーブオイルを入れる

3.大豆顆粒(テレビに写った製品名「豊年 大豆レシチン」)をまぶしたバナナ

4.ミルクコーヒー

5.動物性脂肪は控えて魚を中心にした食事

6.1日あたり1300キロカロリー

炎症レベル「慢性炎症」の低さに注目

慢性炎症が特調べてゆくと、身体の中に起きる「炎症の度合い(炎症レベル CRP)」が違うことがわかってきた。

炎症の種類には…

  • 急性炎症 … 傷を受けた時に腫れ上がるなど病原菌から体を守るために起きる一時的な炎症。一定期間で治癒する
  • 慢性炎症 … だれでも加齢とともにゆっくり体内で進む炎症で自覚症状は殆ど無い。細胞の老化免疫応答の低下に寄る弱い全身の炎症

体の中の細胞が老化すると、その細胞から「炎症性サイトカイン」と呼ばれる炎症を引き起こす物質を放出。

周りの細胞も影響を受け炎症を引き起こす。

また、死んだ細胞からは、細胞の残骸が蓄積される。

これがさらなる炎症の引き金となる。

(テレビで有名なご長寿さん”きんさん・ぎんさん”の)蟹江ぎんさんは亡くなった後病院(南生協病院 病理診断科 棚橋千里さん)で調べられている。その結果、108歳まで生きた蟹江ぎんさんの動脈は弾力性がありきわめて綺麗だった。この事からぎんさんも慢性炎症が低かったと考えられている。

慢性炎症のレベルが高い人は長生きが出来ないという事が解っている。

血液の炎症度を調べるには血液検査の項目「CRP値」で調べることが可能。

異常 … 1.00以上

要注意 … 0.31~0.99

基準範囲 … 0.30以下

慢性炎症を防ぐ食事とは?

世界には、沖縄など長寿者が多く暮らす”ホットスポット”がある。

そのひとつ、イタリア南部・アッチャローリ地方。

なぜこれらの地方に、センテナリアンが多いのか?

ボローニャ大学のクラウディオ・フランチェスキー名誉教授が注目しているのは、食文化。この地方では「地中海料理」に含まれる

  • 魚・オリーブオイル・ナッツ・野菜 … オメガ3脂肪酸、ポリフェノール、リコピン

に注目。その結果、食事はその地域に住む人種、性別、年齢により違いがありこれらの食材を食べた全ての地域の人種で同じ健康長寿への効果があるとは限らないとわかった。

また、中国の広西大学の 李全陽教授は「腸内細菌」に注目。

住む地域によって腸内細菌の種類も違っていると判明した。

住む場所、環境によって食べ物の効果が違う事が解った。

例えば日本人が地中海料理を食べ続けても健康長寿には効果がないかもしれないのだ。

日本人に最適な慢性炎症を抑える食事とは?

和食が最適。

魚 … 魚の脂を摂取すると、EPAやDHAには抗炎症成分があり、他の油(紅花油など)を摂取するよりも慢性炎症が約40%抑えられる

ひじきの煮物 … 大豆、にんじん、海藻による炎症度を下げる効果

みそ … みそには抗炎症成分が入っている

老化を防ぐ秘訣「運動」

センテナリアンが100歳に到達するまでの身体活動の多さに注目した。

教授が調べたぶどう畑の多い地域では1日あたり8kmの運動を毎日畑仕事として行っている。

しかも1日に何度も高低差のきつい畑の斜面を往復する。

こうした「負荷の強い動き」が健康長寿につながっていると言う。

そして、長寿地域の人々は、「微小循環が活発」だと解った。

微小循環とは、体内の毛細血管で起こっている目に見えないレベルの血流のこと。

微小循環には、血液循環によって溜まった老廃物を速やかに取り除く働きがある。

身体を動かし筋肉を活動させることが微小循環を活発にする秘訣だと言う。

慢性炎症を抑える「心」の役割

カリフォルニア大学医学部のスティーブン・コール教授。

教授は、日常で得ることが出来る達成感・満足感などの度合いをデータ収集した。

調査した人たちの血液を採取し「慢性炎症」との関連を調べた結果、ある遺伝子がみつかった。

それは「CTRA遺伝子群」。

CTRA遺伝子群はストレスを受けた時、活動し、満足感を得ると活動が緩やかになるという特徴を持っている。

これは、「満足した」「安心した」などの精神的な活動が身体の炎症反応と関係している証となる。

ただし、過度の食欲、自分の為だけの性欲、自分の為だけの買い物、自分を満たすだけの娯楽などは逆にCTRA遺伝子群が活発になり炎症度を強めてしまうので要注意。

炎症を抑えるタイプの満足感とは…

人を喜ばせるための買い物

ボランティア活動

家族を大切にする

世のために働く

アート作品を発表

などの「生きがい型(社会に貢献する姿勢)」の満足感が上げられこれらの活動の結果「CTRP遺伝子群」が弱まるという。

人間の脳は社会とつながりお互いを助け合ったときに炎症反応が収まるように生物的にプログラムされていると、カリフォルニア大学医学部のスティーブン・コール教授は話す。

生きがいを感じることは大切で、生きがいを感じる人と感じない人では同じことをしても身体への影響は違ってでてくると、日野原先生(105歳)。

今後の研究によって、どんな心の活動が炎症を抑えるのかよりピンポイントに分かるだろう。

「老年的超越」とは?

世界最高齢116歳のセンテナリアン、エンマモラーノさん。

家族の介護を受けていてこの14年間家から一歩も出ることが出来ないと言う。しかし「老年的超越(ろうねんてきちょうえつ)」という独特の心境に達していると言う。

高齢になると「ネガティブな物事」を感じない脳になり「ポジティブな生きがいの感情」が上昇してくるという。

高齢化が進む日本を救うために残された道は「プロダクティブエイジング」。

できるだけ多くの人が健康のまま社会に貢献し長寿を全うすることだと語った。