水素ががん細胞に与える影響については、『VEGF:血管内皮増殖因子』というサイトカイン(成長因子)制御作用が大きく関わるようです。 サイトカインとはひとことで言えば「細胞同士の連絡システム」といってよいでしょう。腫瘍細胞は、正常細胞と比較して「早い成長スピード+大量の栄養(糖)消費」が特徴です。
その大量の栄養を腫瘍細胞に送り続けるためには、通常組織以上の血管網が必要となります。
腫瘍組織からはVEGFが分泌され、腫瘍周囲には無数の毛細血管が構築されているのはそのためです。近年発表された論文では、水素が「腫瘍細胞からのVEGFをコントロールし、毛細血管の増殖を抑制することによって腫瘍増殖を抑制している」としています。また他の論文では、この作用は腫瘍細胞に限られ、正常細胞には作用しないとしており、その理由として考えられるのは「異常な分泌を抑制するのであって、正常分泌を抑制するものでない」という考えが正解ではないかと思います。

その後、多くの論文が提出されてきていますが、これまでの論文を読み解く限り、水素のガンに対する作用は『がん細胞(腫瘍)の増殖抑制』と考えて良いと思います。また、「水素が放射線治療や抗がん剤治療の副作用を抑制し、その効果の妨げにはならない」という論文も発表されており、他の治療との併用に関しても興味深いところではあります。

 

<参考文献>
医療法人社団医献会 辻クリニックのホームページ

2014年4月14日の記事より

http://tsuji-c.jp/tag/%E3%82%AC%E3%83%B3%E6%B2%BB%E7%99%82